日本酒のテロワール。
ZOOMで掲題が開催されました。開催前にパネラーの皆様にお越し頂きました。この様な試みは素晴らしいと思います。
日本酒のテロワールは地層学的水の規定性から全国が3ブロックに分かれるが、最終的には各蔵毎に分かれるとお話しでした。日本酒の規定性、特色は地質学的規定性による水に起因していると結論付けて、依拠してしまうのも、中々難しい様に感じました。結論づける背景の論拠と、依拠する論拠が何処にあるのかを明示しなければならないと思います。例えば、フランス・ワインに於けるテロワールはフランス国内が3ブロック位に分けることが可能か。また、土壌からの類型と品質の関係性はフランス・ワインと日本酒に於いて、品質の規定性に於ける同質性が高いと認められるか。であれば、フランス・ワインと同じ様なテロワールによる類型、関係性、評価が可能だと思いますが、どうやら、一刀両断の下に結論付けてしまう事は難しい様に思われます。ここは、無理して、ワインし同様の考え方、類型に囚われ事なく、日本酒独自のテロワールに代わる考え方、類型を明示することが肝要に思います。日本酒はワイン以上に自然という外部環境による影響が絶大で、寧ろ、そうした事による日本酒の規定性、特色は、正に、そこにもある訳ですが、日本酒の品質的寄与率からすると、水だけを決定的品質規定の要素とした指標になり得るかと言う問題を避けて通る事はできない様に思われます。また、鉱物質の特性から招来された水と言う括りにどこまでの妥当性があるか。例えば、貝殻層を通ってきた水は「男酒」と表現される特性を内在することからも、偏った日本酒の品質的特性をそのまま、全体論として普遍化できるかと言うと、中々、難い様に思われます。以前、お越し頂いた皆様にもお伝えしたのですが、ここは一気呵成に、地質学的水質と日本酒の品質的特性に対する相関関係が最大だとはせずに、寧ろ、一旦、地質学的特性と水が極めて高い相関があると言うのでは無く、両者を切り離して、水の特性からの品質的規定性、品質的特性を語った方が論理的ではないかとお伝えしたことがあります。岩盤の水の透過性はどれほどあるのか。例えば、放射性廃棄物処理では同物質を通さない岩盤層を利用するとの話しもあります。そうした中、岩盤、鉱物質の透過性等も、どの様な特性の岩盤層であるか、その慎重な調査研究、解析も必要になると思われます。仮置きとして、日本酒のテロワールを考えるとした場合、論理的蓋然性が明示できる様に膠着性を回避した客観的取り組みが待たれるところかもしれません。